「四日市公害と環境未来館」さあ オープンです!
DSCF4670いよいよ3月21日の開館が迫って来ました。ここ一週間の間に解説ボランティアの現地研修や、関係者(行政・マスコミ・企業)への内覧会が連続して行われ、館内の全貌が明らかになってきました。モノクロトーンで飾られる壁面は、テーマが「大気汚染」であるだけに臨場感があり、見る人にインパクトを与えてくれます。澤井さんの写真がふんだんに活用されていて、被害者目線の統一性も感じられます。また映像シアターは「公害裁判」に特化されており、被告企業6社の実名も明記されています。「市民の取組」コーナーでは市民塾や市民兵の会も取り上げられていて、若干面映ゆい気もしますが大切な視点だと思います。かなり質的にもぎっしり詰まっていて、じっくり見るには一日がかりとなりそうです。
21日(土)は式典が午前中にあり一般開放は午後1時。
わが「市民塾」では一般市民向けに「特別解説ガイド」を行います。当日1時50分に博物館入り口にお越し下さい。たっぷりと館内をご案内いたします

「四日市公害と環境未来館」オープンまであと45日!(2月4日)
IMGDSCF4505寒い冬もはや立春を迎えました。「公害資料館」についての情報続編です。2階の展示エリアでもっとも重要なのが「公害の発生」展示です。市役所のHPによれば壁面全体に大きな写真(コンビナートの排煙)が掲示され、その上に小さい写真が重ねて掲示されています。塩浜病院での患者さんや塩浜小学校の「うがい場」など、ほとんどが澤井さんの写真です。さらに手前に棚が設置されそれぞれ「引き出し」が付いて、解説文が書かれています。総数100枚を越えていて、準備室の皆さんの労作です。壁面の随所に「モニター」があり、関係者の証言が流れてきます。足下にはコンビナートの地図があり、向かい側には「年表」が掲示され、併せて解説がなされることになります。実際に出来上がったときのイメージはまだ掴めませんが、楽しみにしたいと思います。
◎ 博物館の外壁にロゴマークと表示板が掲げられました。隣は公園やショッピングセンターですが、建物が大きいので近くからは却って気づかないかも知れませんが、関心を持って欲しいものです。
◎ 市民塾・土曜講座全記録『きく・しる・つなぐ 四日市公害を語り継ぐ』出版記念の集い 
 3月7日(土)午後1時30分より 四日市市本町プラザ。

当日は書店に並ぶ前の先行販売を行います。ぜひお出かけ下さい。2,000円(+税)です。予約受け付けます。 
問い合わせは
090-3151-8971(伊藤)まで。

 

2015年のスタートです。新しい一年よろしくお願いします。
いよいよ「四日市公害と環境未来館」オープンに向けて加速します。関連事項をいくつか報告します。
DSCF4301DSCF4385,四日市市の準備室が市役所5階から、博物館2階の事務室に引っ越しです。来週からはそちらに定着しての業務に入ります。
2,本町プラザ4階の四日市市環境学習センターも閉鎖状態になり、これまでのような利用はできなくなります。
3,関連して4月からの運営業者が一月中にプロポーザルで決定します。
4,6日夜のTV放送で新しい資料館内のようすが映されていました。けっこう迫力のある壁面のようです。
5,博物館は工事中ですが1階は外から見るとガラリと様変わりで、書棚が設置されているのがうかがえます。
6,隣の「じばさん三重」でも市民活動室などの整備が進んでいます。 
「市民塾」も気分一新。HPをリニューアルし(テスト中)3月からの態勢作りを進めて行きます。

「四日市公害と環境未来館」開館まであと二ヶ月!
DSCF4382公害資料館のオープンが迫って来ましたので、その内容とか経過について報告を続けていきます。現在、博物館は工事中のため閉館ですが、入り口ドアに張り紙があるだけで中のようすは市民にはさっぱりわかりません。看板とか完成予想図などを外側に掲示して欲しいところです。ここでは明らかにされている市の資料に沿って説明していきましょう。
5階建て博物館のうち2階部分1フロアが「四日市公害」資料館となります。①~⑥のコーナーに分かれていますが、①は「産業の発展と暮らしの変化」の展示です。いきなり「四日市公害」に入るのではなく、導入部分として公害の発生する社会情勢から考えてもらおうということです。具体的には戦後の「経済復興」と人々の生活態様の変化を展示します。例えば四日市の海水浴場が埋め立てられていく経過などが写真で示されます。64年の東京オリンピックから70年万博なども象徴的な出来事です。大小様々な写真は多くが澤井余志郎さん撮影によるものです。壁面の前には棚が付き、説明文が引き出し風に仕組まれています。以下、順を追って説明していきましょう。
◎ 「四日市公害をわすれないために・市民塾土曜講座」の報告集『きく・しる・つなぐ 四日市公害を語り継ぐ』は2月下旬に刊行ですが、宣伝キャンペーンを兼ねて「土曜講座プラスワン」を開催します。3月7日(土)四日市市本町プラザ(1階ホール)です。詳細は追々掲載をします。

四日市市総合計画 第1時素案に対する意見提出用紙

平成22年6月29日

澤井余志郎

意見)全体を通して 特に水(海)辺・親水空間再生についてと、公害・環境問題について

  四日市は、伊勢湾に面した海辺のまちです。海辺は、四日市市民にとって、あるいは、四日市市を訪れる人々にとっても、自然に接する快適空間です。
  そうして水(海)辺空間があるのだろうか。素案の中に、港と、貴重な水辺の観光・歴史的遺産として2回も、末広橋と潮吹き防波堤(コスモ石油埋め立て防波堤)が挙げられています。それだけですか。気軽に見られるところではありません。
  そうした遺産は貴重なものですが、遺産は遺産として、現に存在する自然な海辺で、市民の老若男女が水辺空間に親しむことができることこそ、今様の快適環境空間都市なのではないでしょうか。

  コンビナート都市としての川崎と四日市は共に、海岸は、工場と港に占領され、砂浜はコンクリートで固められ、市民の憩いの水辺空間がないといわれています。ところが、川崎で、海辺の砂浜で市民が買い拾いや、海水と戯れているテレビ放送を見ました。「川崎は四日市より一足先によみがえった、自然環境を取り戻した」たとえ小規模の自然再生であり、うらやましく眺めました。四日市では、コンビナート工場が来れば市は発展するとして、産業育成を、将来のことを考慮することなく、牛起・霞ヶ浦海岸、海辺をなくしてしまいました。四日市はそのために発展したという事ですが、磯津猟師町の子どもが、泳ぎを覚えるためにスイミングスクールのバスに迎えに来てもらい、人口のプールで泳ぎを覚える、これが海辺をなくし市が発展した証しだとしたら、これほど淋しい、非文明なことはないと思います。

  こうした観点が第1時素案からは読み取れないのを淋しく思います。
公害都市四日市をよみがえらせるのは、水(海)辺空間再生がなんとしても必要です。公害四日市のイメージ解消・払拭を考えるのならば、文言・記述ではなく、あるいは、見えない、匂わない、つかめない(イメージ)ではなく、見える、遊べる水辺の再生こそが必要です。
  それと同時に、体験、見える、聞こえる、公害改善の歴史を「知る」ための公害学習資料館を、公害は人権問題でもあり人権学習資料館と、環境教育資料館の併設も、公害イメージ解消にとって必要な施設であり、まずは3年の計画に盛り込んでの具体化をぜひ実現してください。

(基本目標1 都市と環境が調和するまち)

テーマ3:多様な主体の連携による環境都市への連帯 リーディングプロジェクト(環境学習の充実に向けた取り組み)に関する意見

  「公害都市」といわれる四日市市において十年以上にわたって公害問題に取り組んでまいりました四日市再生「公害市民塾」の一員として、意見を述べさせていただきます。
  田中市長ご就任以来、市からの委託を受け四日市公害にかかわる写真のデジタル化に努め、昨年末に1500枚の保存を終えました。さらに現在も続行中で800枚にも及びそうです。子の写真は昨年度「環境学習センター写真展」「環境フォーラム」「人権パネル展」等に展示し好評を得ることができました。今後も活用が期待されています。
  さらに、「市民塾」として重要な柱とする「語り部」活動も、主として小学生を対象に昨年度で約50回を数えるに至りました。この活動は三重県からも「みえ環境活動賞」というかたちで高い評価をいただきました。
  さて、現在私たちは市人権センターの一角をお借りしまして、「四日市公害資料」保存のための整理にとりかかっています。主として澤井所蔵の資料が大部分ですが、この他にも弁護団事務所や裁判所に貴重な資料が残っています。これらは大気汚染公害を対象とした裁判資料として重要かつ貴重な数々です。
「四大公害」と称せられる各地(新潟・水俣・富山)には保存・学習のための施設が設置されていますが、四日市の残存資料はその質と重要度において他にひけをとるものではありません。これらを一箇所で集中管理をして保存し、されに公開・学習に役立てていく必要があります。そのための施設としての「公害資料館」が絶対に必要なのです。
  さいわい、このたび出された「四日市市新総合計画第一次素案」の中に「公害資料館の整備を推進する」と提案されています。誠にありがたく思っています。現在環境学習センター内の公害資料室は職員の努力によって改善されつつありますが、いかにも手狭でありますし、私たちの確認できている資料だけでも収納できる状況ではありません。
  四日市公害判決から38年。環境改善の取り組みを評価しつつも、歴史は歴史として学び後世に伝えていくことこそが「みんなが誇りを持てるまち」を作り上げていきます。
  独立館とするか既存施設の拡充をはかるかは今後の検討課題ですが、散逸や劣化を防ぐためにも急がなければなりません。「市民塾」としましては、資料の提供や作業など協力を惜しみません。一刻も早い具体化をお願いして意見とさせていただきます。