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三重県知事

 鈴木英敬様 

   四日市再生「公害市民塾」 代表 澤井余志郎

 

四日市市内石油化学コンビナートへの安全対策について

  

鈴木新知事におかれましてはご就任以来積極的に活動され敬服いたしております。とりわけ今般の東日本大震災に関しましては被災地を直接訪問されるなど、エネルギッシュな行動力に感銘を受けている次第です。 

 さて、私たち四日市再生「公害市民塾」は、1997(平成9)年発足以来(メンバーによっては「四日市公害訴訟」前後から)四日市公害問題について関わり続けており、現在もその資料整理・保存や小学生などへ語り継ぐ「語り部」等の活動を継続しています。

  四日市公害訴訟判決は1972(昭和47)年724日に出されたのですが、それから39年目になる今年東北地方を中心に襲来した東日本大震災は、まさに未曾有の「天災」でした。しかし、福島での東京電力原子力発電所の「事故」はいまだ収束点がみえず、また様々な要因を考証するにまさに「人災」といえます。この問題につきましては多くの人々からの意見・批判もあります。近接する静岡「浜岡原発停止」や過去三重県内へ計画され撤廃された原発立地問題等々、考慮すべき点は多いのですが、今回は地震に対する「石油化学コンビナート」の防災対策について、私たちの意見と要望をお聞きいただきたいと思います。

 

 現在 四日市市には石油化学コンビナートといわれる工場群が三カ所あります。設立された順に第1(塩浜)、第2(午起)、第3(霞)と呼称されて、昭和30年代中頃から同50年代にかけて伊勢湾岸海面を埋め立てて設置されました。そこに至るまでの経過や大気汚染公害を引き起こした原因、訴訟判決などにつきましては別の機会に譲りますが、今般の大震災における石油化学工場の火災事故との関連に触れてみたいと思います。

 1,千葉県市原市コスモ石油千葉精油所3月11日地震発生直後、LPGタンク付近で火災発生。5000kリットル2基、2000kリットル12基が地震で壊れた配管からガ    スが漏れ引火。10日間燃え続けてようやく鎮火。一時は「有毒ガス漏洩」のデマまで飛び交い混乱。

 2,宮城県仙台市JX日鉱日石エネルギー仙台精油所陸上出荷設備で火災発生。4日後に消火。

これらの事故は真っ赤な炎が天を焦がすばかりに燃え上がり、石油火災の恐怖をまざまざと教えてくれました(火災のようすは新聞、グラフ雑誌、TVなどで報じられ、現在もインターネット配信のWEBサイトでは閲覧が可能です)。しかし、近隣住民への被害が大きくはみられなかったことは不幸中の幸いといえます。これは両精油所がともに民家から距離を置いて建設されていたからに他なりません。

 さて、こちら四日市市のコンビナートはどうでしょうか。第3コンビナートは、霞ヶ浦の海水浴場を埋め立てた「出島方式」で、民家からは隔絶されています。しかし、第2コンビナートは国道23号(名四国道)を挟んだだけで民家が建ち並び、第1コンビナートにいたってはまるで工場と民家が混在しているかのごとく隣接しています。特に塩浜地区では昭和四日市石油のガスタンクが群れをなし、民家は細い路地一本しか隔たっていない住宅地があります。また塩浜小学校も背後に巨大な煙突が立ち並び遠望するとまるで工場群の中に存在しているようです。

 四日市公害裁判は「大気汚染」が問われたのですが、判決では「付近住民に生命・身体に危害を及ぼすことのないように立地すべき注意義務がある」と指摘し、「被告らは・・・・漫然と立地し、操業を継続した」と断罪しています。このことは当然「事故」にもつながる質を持っているといえますが、この判決以降、立地上の問題が改善されたわけではありません。今、この地に東日本大震災クラスの地震が起き、津波が発生したらどうなることでしょう。埋め立て地の地盤は弱く、老朽化したプラントの破壊も避けられません。当然火災は発生します。そして、津波対策は全くといっていいほど考えられていません。海面上1,2mの工場群はひとたまりもないでしょう。

 何よりも恐ろしいのは爆発火災です。爆風で近接の民家は吹き飛び、あるいは飛び火による延焼も避けられません。塩浜地区は現在約3000戸、7000人近い住民が生活しています。小学校2校・中学校1校に子供たちが学んでいます。日本全国のコンビナート地帯の中で、これほど至近距離に住宅が存在するところは希有なのです。現にコンビナート工場における火災・爆発事故は何度も繰り返されています。

 周辺地区には昭和四日市石油の原油タンク7基をはじめとして地下には無数のパイプラインが張り巡らされています。一度ぜひ現地をご覧いただきたいと思います。住民は日々事故の危険にさらされています。その上、塩浜町内磯津地区は避難場所が鈴鹿川を隔てた塩浜小学校と指定されています。緊急時に300㍍の橋を渡るのはいっそう危険が増すばかりです。

 四日市市田中市長からも依頼書が提出されています。今回の大震災を文字通り「対岸の火災」とせず、緊急に現場の点検および各工場への安全点検の指示を早急に行っていただきたいと思います。まずは現場確認をお願いいたします。

 謹んでお願い申し上げます。

 

 なお ご参考までに現場の写真を添付させていただきました。  

 

                                                             以上


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