四日市公害を語り継ぐために
四日市市環境部職員研修会 (4月16日)
今日、最高裁で水俣病認定に関する「溝口訴訟」への判決が出ました。原告勝訴のすばらしい判決でした。行政への厳しい指摘もなされています。こちら四日市では年度も新しくなって四日市市が職員研修会を実施しました。対象は環境部の新メンバー18名。市民塾が講師を依頼され山本・伊藤そして野田さんで務めさせてもらいました。最初に新部長の須藤さんから挨拶があり、学習センター・谷崎さんのガイダンスから入りました。
その後約1時間参加者からの質疑を受けながら3人で交互に話すという形式で進めました。部長自らや新採用ヤングマンからの質問もあって有意義なひと時でした。中でも野田さんからの公害のひどかったときや、裁判の苦労話などには一生懸命耳を傾けているようでした。裁判では行政も責任を問われたこと、工場が民家と隣接する立地上の問題は今も解決されていないこと、あるいは新しい「資料館」の責任など強く訴えておきました。ただし、問題は研修が研修だけで終わることなく、いかに今後の「環境行政」に生かされていくのかが重要です。果たして今日の「溝口訴訟判決」ちゃんと理解しているでしょうか。 「研修」はゴールではなくスタートであることをしっかり踏まえておいて欲しいと願っています。◎ 公害資料を一つ紹介します。「全日本学生写真連盟 公害キャンペーン実行委員会」の編纂した写真集があります。刊行時期は明記されていませんが1970年頃のようです。B5版80頁ほどの小冊子ですが、当時の日本全国の公害の現状が写されています。撮影者不明ですが四日市大気汚染の惨状も活写されています。「経済発展」至上主義のアベノミクスには、こうした「過去」を繰り返す危険性が潜んでいることを示唆しているようです。ちなみにこの写真集にも出てくる「足尾銅山鉱毒」事件と闘った田中正造の映画 『襤褸(らんる)の旗』。演じたのが亡くなった三国連太郎さん。ご冥福をお祈りいたします。
◎ 四日市再生「公害市民塾」 拡大例会迫る! 4月20日(土) 午後1時
四日市市環境学習センターへ。
公害資料をひもとく・・・・。
- 詳細
- 投稿者: 伊藤三男