市民塾通信『こちら市民塾』 №74 (3月6日)
「公害資料館」のあるべき姿を求めて……。
昨年の「四日市公害訴訟判決40周年」に関しては市民団体・大学・行政等々でイベントが組まれ、マスコミでもいくつかの記事や番組が制作されました。しかし、というよりはむしろ予想できたことですが今年になっ『公害トマレ』てその賑わいはめっきり減少しています。そんな中で中日新聞が四日市市環境学習センターの存在に触れ、「資料館と統合 不安の声」という記事を掲載しました。3月4日付けの三重版で6段(紙面4分の一)という大きな扱いです。概要は四日市市が「資料館」を博物館に併設するのと同時に、現在の学習センターを廃止して博物館1階に学習機能を移すというプランに触れています。現在の学習センターはJR四日市駅に本町プラザの4階にあります、狭いながらも「公害資料室」が設けられています。平日でも放課後や夏休みなどには子供達が気軽に訪れて、読書をしたりPCで検索したりしています。アットホームの雰囲気があって様々な講座にもたくさんの利用者が参加しています。
しかし、経過と現実をみますと昨年の資料館の場所選択をめぐって、 「あり方検討委員会」は「博物館」を選びました。前段として市長の意志のようなものが朝日新聞に掲載され、一つの流れができあがったのか知れませんが、博物館に資料館を併設することは決定路線として進んでいます。学習センターの廃止はその計画と抱き合わせになっているのですが、表面だった議論にはなったきていませんでした。同記事にもあるように「理想の形が自分たちの中でもあいまい」というのは、要求する側の責任でもあるわけです。「中身の議論が結局何もなされたいなかった」という指摘は核心をついていて、ちょっと悔しいのですが、これも現実です。(「何も」というのはちょっと引っかかりますが)。設置者(四日市市)への疑問も提示されていますが、これは「市民全体」の問題でもあると思います。「資料館」の方向性を定めるために、この一年頑張らなくてはなりません。
◎ 今まででも感じたことですが「公立」の資料館になるとどうしても「公害反対」の視点がおろそかにされがちです。四日市ではそうならないようにしていきたいものです。そのためにも裁判当時発行されたいた『公害トマレ』 という月刊ミニコミ紙に注目して欲しいと思います。7年間で100号まで出ています。現在整理中ですが追々紹介していきたいと思います。