市民塾通信「こちら市民塾」№13

さすがに重陽の節句というべきでしょうか、台風一過でさしもの猛暑がやわらいだようです。涼しい夜風となりました。

さて9月になりますと例年「四日市公害犠牲者合同慰霊祭」(四日市公害患者と家族の会主催)が開催されます(今回は9月20日10時大谷霊園)。そのことにもからめてかねてよりの課題であった「患者さんの現状」ついて、四日市市環境保全課をたずねてお話を伺ってきました。患者担当職員・保健師さんからの勉強会となりました。こちらは市民塾と学習センター職員それに記者さんも加わってくれました。

認定患者は8月31日現在で459名。そのうち保健婦さんが一年に一度ずつ訪問する患者宅は365名分。約100名近い差は市外県外在住もしくは訪問を希望しない患者の数です。まずこれだけの家庭訪問がお一人の保健婦さんでなされていることが驚きでした。これらは「公健法」に基づく任務でありまさに四日市市独特のお仕事ということになります。

市内在住患者は地域的にみれば塩浜(特に磯津)が最多であり、以下浜田・日永・羽津と続いています。ただ全体的に市街地から山手への移住が多くなり三重地区の多さは「団地」と関連するのかもわかりません。こうした状況もあってコンビナートとの相関関係は単純には整理できないようです。細かい数字のデータも公開していただいたのですが、中身の性質上当HPへの掲載は控えます。詳細お知りになりたい方はご連絡ください。

また、「ぜんそく」の症状や治療・薬剤なども教えていただきました。現在の吸入ステロイドについては実際の器具がずいぶん改良されてきているとのことですが、何十年も治療を継続されている患者もみえるわけで改めて「公害」の罪の大きさを感じました。吸入体験もしましたがこれ自体が高齢者にはなかなか大変のようです。写真の器具でL(エル)字型が従来タイプですが、円型が最近開発されたもので使いやすくなっています。薬剤共々常時携帯ですからその負担も大変です。

四日市には「夜景クルーズ」や「とんてき」でイメチェンに躍起の動きも大きいのですが、やはりこうした患者さんの現状や公害の歴史は真摯に学んで欲しいものです。