市民塾通信「こちら市民塾」№4

本日は24日。四日市公害訴訟判決の1972年7月24日にちなんでの発行です。今年の7月は38周年ということになります。市民塾も立ち上げ以来14年目に入り、「語り部」活動と資料保存を二本柱にして大きな成果を上げてきていると思います。HPもリニューアル以来アクセス数は増加傾向にあり喜ばしい限りです。

 さて、先日の投稿記事で四日市市発行の「のびゆく四日市」の改訂版について触れられています。一年前の改訂に比べ8ページ建てという編集で大幅増となっています。企業の加害と被害者そして裁判にも触れられており「前進」といっていいでしょう。

 このことと並行して四日市市では面白いことが進行しています。既に4月14日の新聞(中・毎・読・伊)で報じられましたからご存じの方も多いかと思いますが、四日市市長が記者会見で、「東京に赴き文部科学省と教科書協会に要望書を提出した」と発表しました。概略は次の通りです。

 たしかに四日市公害はなくなったわけではなく、患者は存在するし改善の努力を怠ってはいけない。しかし、現行の小中学校の主要教科書には四日市市に関する記述が「公害のまち」という視点でとどまっている。このままではイメージが固定化され改善の過程が認識されない。是非、改善に向けた努力や行政・企業の活動及び「青空のもどった」現状にも触れてほしい。「正しい社会的認識が深まるような記述」を加えてほしい。

 というわけです。皆さんはどのように受け止められますか。「のびゆく四日市」の改訂と市長の要望。そもそも、内容はともかく市長がこうした要望を提出するというのは他に例をみないのではないでしょうか。いろいろと感じるところはあるのですが、今回は報告にとどめておきます。

 学校現場の教育は基本的には日々子どもたちと直接に接する教師の責任にです。四日市公害とどう向き合うのかは「実践」が何より問われることになります。その意味では今、市民塾が計画している「四日市公害学習実践交流会」はとても意味の深いものだと思っています。6月26日、「語り部」が参加した四日市市内外の学校の先生たちに集まってもらって交流会を開きます。さいわい「四日市市」「四日市市教育委員会」の後援もつきました。詳細は追々お知らせします。多くのご参加期待します。