「環境再生まちづくり」会報より

{tab=2月2日}
県の外部団体『県環境保全事業団」は、石原産業四日市工場の産廃処分場を市内小山町に建設する工事で、産廃を搬入する石原産業の100%出資子会社「石原化工建設」を含む共同企業体に発注することを決めた。石原産業はニセリサイクル産廃フェロシル卜で刑事事件にもなった前歴があり、保全事集団もそれに係わっていたのに、入札に参加する、それを受け入れて建設を承認する事業団…。県知事は「ルールにのっとっているのなら排除できない」と言っているが、これは、ルール以前の県民感情を逆なでするルールである。

三菱油化四日市事業所が、工場排水の汚濁値を子会社に指示して改ざんしていたことに、田中市長が記者会見で、「三菱化学は四日市コンビナ-卜で最も大きい企業。市民の信頼も失うし、イメ-ジダウンも大きい」として、厳しい指導をすると述べた。

{tab=2月4日}
四日市で唯一の反公害団体と言っていい「四日市再生公害市民塾」が、三菱化学に「説明と現場見学についての申し入れ」をおこなった。石原産業の産廃場建設工事入札といい、三菱化学のデータ改ざんといい、市民・行政などが、無関心の様子のときにおきていることもあり、企業・行政・市民の三者は、いつも適度の緊張関係を保つことがなくてはならないとして申し入れた。これに対し、三菱化学は、全国からの問合せや、弁護士などの委員会立ち上げもあり、すぐには応じられないとしている。

{tab=2月5日}
東芝は、携帯電話やデジタルカメラの記憶媒体に使うNAND型フラッシュメモリーの国内工程を、今月11月をめどに四日市工場に集約すると発表。福岡県の生産拠点を閉鎖して四日市工場に新事業所をつくる。従業員400人は原則、四日市に配置転換するとしている。(朝日新聞記事)

「南部工業地域環境安全協議会」で、三菱化学の不祥事等数社の事故報告などがあった。その会合後、三菱化学の会食施設「菱友クラブ」で懇親会があり、酒やビールなどを伴う飲食をした。この協議会のメンバーは、企業、地元自治会長、四日市市(環境部、消防署)などで、三菱化学の排水データ改ざんが明るみに出たあとでのことであり、“改ざんで指導後酒宴”と新聞などで報道され、10日、田中市長が「タイミングが悪く、誤解を招きもうしわけない」と謝罪した。

{tab=2月8日}
石原産業四日市工場は、1月29日、プラン卜の配管が破裂して有毒の塩素ガスが漏れた事故で、「塩素ガス配管に水素ガスが混入し何かのエネルギーが作用して反応、小爆発により配管を破裂させた可能性が高い」との事故原因をあげている。石原は、市消防本部を通じて、県石油コンビナー卜等防災本部長である野呂昭彦知事に「異常現象報告書(第一報)」を提出した。事故直後「けが人はない」としていたが、物品納入者の男性が吐き気や目、のどの痛みを訴え、市内の病院で受診していた。

{tab=2月12日}
三菱化学四日市事業所が工場排水の汚濁値を改ざんしていた問題で、1月に発覚した改ざんのほかにも5件、数値の改ざん未遂などの不正があったとの中間報告を発表した。これに対し、市は15日、水質汚濁防止法に基づき、三菱化学に立ち入り検査を行った。県も、事業所が操業停止などで排ガスを測定できなかったとする66件について、大気汚染防止法に基づき検査した。市は、16日もひきづづき立ち入り検査を行った。

{tab=2月16日}
四日市再生公害市民塾のメンバーが、市環境保全課を訪ずれ、課長らに会い、改ざんを明らかにする、きつい指導を行うことを求めるとともに、馴れ合いを生じかねない企業各社担当者との酒食は今後は辞めるべきだと迫った。

{tab=2月19日}
三菱化学四日市事業所と子会社の三菱アナリテックが排水の汚染データを改ざんしていた件で、県は2社を3ケ月問の落札資格停止対象とし、市は4ケ月間の入札参加資格停止処分にした。四日市市は、アナリテック社に大気汚染や水質汚濁の監視測定など4件、約2500万の業務を委託している。

{tab=2月20日}
「NPO環境市民大学よっかいち」(代表・粟屋かよ子四大教授)が開催している「公害環境市民学校」の第5回は公害患者にまなぶで、磯津地区患者会の5人の役員、四日市患者会の事務局長、それに、子どもを守る塩浜母の会の代表などを講師に招いての講座で、磯津の患者で5人も顔を揃え、それぞれぜんそくの苦しみや病院の冷たいあしらいなどを本音で語ったのは始めてのこと。「わしらは、加害者か、被害者かjと野田さんの問いかけがあり、一つには市民運動の盛り上がりが無いことが、被害者患者の苦しみにおよんでいることをかえりみなくてはならない。

{tab=2月23日}
三菱化学工場排水の汚濁値を子会社のアナリテックに指示して改ざんしていた問題で、ア社は、すでに発覚した7件以外に改ざんが8件あったと市に報告した。つまり、恒常的に改ざんがされていたことになる。また、三菱化学は同日、排ガスの測定が法令に規定する回数で実施されていなかったなどのケースが、91件増えて157件に上ったと三重県に報告した。

“覆土で幕引き”を思わせる、三重県知事の大矢知産廃不法投棄量全国一の大矢知現地視察と、地元連合自治会代表らに謝罪があった。同席した四日市市長は「跡地利活用を地元や県、学識者と考えたい」と述べた。

{tab=2月26日}
前日の25日は伊賀市立友生(ともの)小学校5年生3クラス(合同ではなく1クラスごとの学習)でこれまでになかった公害語り部であったが、この日も、午前と午後かけもちの語り部。午前は津市立川合小学校5年生2クラス、午後は津市立渡瀬小学校5年生(8人)と4年生と、両学年の保護者との合同学習。両校とも津市立とはいえ、奈良県に近い一志町である。山本勝治マイカーに野田之一(漁師・訴訟原告患者)・澤井余志郎(記録者)が同乗しての語り部3人組。波瀬小には、伊藤三男(市民塾・高校教員)も参加しての顔ぶれで、波瀬小の教師は塩浜小にも勤務していた、母親は塩浜病院で看護師をしていた頃、入院中の野田さんをよく知っていて野田さんも親しんでいた看護師さんという、縁深い話になった。東海テレビが両校とも取材に同行した。{/tabs}