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四日市の海辺を歩く (10月1日)
DSCF3984伊勢湾に面した四日市の海岸がほぼ全面的に埋め立てられ、工業地帯となっていますが、その歴史とか経過に市民はわりと無関心のようです。第1コンビナートは戦前の海軍燃料廠で埋め立てられましたが第2(午起)・第3(霞)は今から40~50年前までは海水浴場で賑わったものでした。そして今、四日市には唯一と言われる砂浜があります。そこは楠町・吉崎海岸です。新しく出来たわけではありません。市町村合併の結果なのです。いわゆる「平成の大合併」で四日市市は近接する市町との合併が成立せず、結局「楠町」のみと合併しました。その結果、四日市市はウミガメとハマヒルガオの吉崎海岸と、ホタルの里(楠町本郷)を手に入れたのです。四日市市の環境がよくなったDSCF3973から砂浜やホタルが戻ったわけではないのです。
合併の時(2005年・平成17年)も市民はあまり関心も持っていないようでした。磯津と近接するこの一帯はまれにカメさんがやって来たり、釣り人のポイントになっていたりしますが、ゴミの漂着場にもなっています。ボランティアグループが月に一回清掃作業をしていますが、今、とても手に負えない状態となっています。8月11日の台風で流れ着いた流木群がほぼそのままになっているのです。間もなく二ヶ月です。目の前では「作澪干潟工事」が行われているのですが、このゴミは一向に減っていきません。傍で平気に釣りに興じる人たちがいて、呆れるばかりです。すぐ横が磯津漁港ですが随分と寂れてしまって、「大漁旗」も空しく見えてしまいます。そして、その向こうには昭和四日市石油の巨大な原油タンクが並んでいます。
さらに皮肉な事に来年3月オープン予定の「四日市公害と環境未来館」の建設費は、総額22億円のうち16億円が「合併特例債」でまかなわれるのです。もちろん博物館全体のリニューアル費用ということですが、市民の関心が望まれます。